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Oct 3, 2016

世界丸ごと食べ歩き

New York 編 (1)

”NEW YORKER の朝食を食する”

Photo & Text by Mark Akabori

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この度、当雑誌の発行人である鬼編集者とご縁があり執筆のお誘いを受けた。

これまで会社の業務文書ぐらいしか書かない自分が果たして読者に喜んでもらえる文章が書けるか正直なところ自信が持てないでいた。そんな矢先に、遠い昔に捨てたはずの大学時代に書いたポエム集とラブレター写しが突然引っ越し荷物から出てきてよくも捨てずにもこれまで保管していたものだ。

中身を恐る恐る読むにつけ、我ながら、こんなにいちずで純情でロマンチックな歯が浮くような詩とか文章がよく書けたものだと自分で恥ずかしいやら驚きで一杯であった。

一昔前のあの頃、人間妙に純粋になれたのは何であったのか、そういえば、あの頃、同じ大学の仏文科にいた大好きな彼女の影響で、フランスのシャンソンにかぶれ、バルバラやムスタキのレコードを二人でよく聴き鑑賞にふけっていた青春時代の淡い恋心の産物に他ならないと当時を振り返った。

あれから43年の歳月が流れ本年66歳を迎えたのを機に現役引退を決意し7年間住んだバンクーバーの地を離れ、自宅のある米国ミシガンに戻ることにした。

これから始まる引退後の生活はまさしくEVERYDAY IS SUNDAYで予定に縛られない自由時間があることに現時点ではこの上なく興奮気味である。多くの先輩諸氏からそのうち時間を持て余し生活の張りがなくなるので元気で働き場があるのであれば、現役続行すべきとのアドバイスもあった。

しかし、自分の性格から凝り性で多趣味の自分にはこの限りにはあらずと確信している。

風光明媚で世界一住みよい街のバンクーバーの評判から、私の在任中に多くの友人が夏にこの地を訪れ、私より一足先に引退後の生活を夫婦でエンジョイしている姿を毎回見るにつけ、元気である今こそ余生を楽しむべく、これまでやりたくて時間の制約できなかったことの実現及び新しいチャレンジに挑むことへの結論に至った。

そして、この7年間に出逢った素晴らしい人々との良き思い出を胸に5月末にバンクーバーを離れ翌朝NEW YORKのJFK空港に降り立った。

私はこのダイナミックなNEW YORKの街が大好きである。

タクシーの車窓から見る摩天楼、ビジネス街、道行く人々にも何かエネルギーがみなぎり、どこからともなく野球のヤンキース球場のテーマミュージックであるフランクシナトラの躍動感のあふれる名曲 NEW YORK♫  NEW YORK ♫ の調べが聞こえてくるような気がする。

この街には芸術、音楽、スポーツ、食事、ショービジネスなど世界最高レベルのものが全て揃っている。

世界の他の大都市に比較しておそらくNEW YORKほどにジャンルを問わず伝統やこれまでの価値基準に縛られずに新しいものを模索しよいもの受け入れる自由な懐の深さがある所はないように感じる。

無論可能性は少ないにせよ、世に認められる質の高い個性と才能そして情熱を有すればで努力次第で自己の夢をかなえられる場所でもある。

これまで幾度となく訪れたNYではあるが、自分のキャリアーが営業部門で米国本社がここになく長年の夢であったNY駐在は叶わずにいた。従い、引退後のやりたいことの一つが大好きなNYに1カ月ほど暮らしてみたい希望の実現であった。

NY生活の第一歩はNEW YORKERとしてお薦めの美味しい朝食の店3軒にご案内します。

 

★一軒目は1934年設立の有名な老舗食材店ZABAR’S。日本のデパ地下にも匹敵するお惣菜の種類と2階のキッチン器具用品は一見の価値あり。こんなお店が住む街にあればといいなと思う店である。

私はいつも入り口にあるDELI SHOPで数多いメニュー の中で 店で搾りたてのオレンジジュースとROXYと呼ばれるスモークサーモンとクリームチーズを挟んだべーグルをフードコートで食べるのが定番である。

地元の常連に交じって観光客も評判を聞きつけ常に混んでいるので席を確保してからオーダーしよう。

隣席の老婆が当方に親し気に早速話しかけてきたがそんな気取らないリラックスした雰囲気が好きだ。

http://www.zabars.com/on/demandware.store/Sites-Zabars-Site/default/Link-Page?cid=OUR_STORE_ON_BROADWAY

 

★2軒目は日本でもパンケーキ人気の火付け役で東京にも出店したセントラルパークに面したSARABETH’sRESTAURANTで場所柄、超高級コンド住人と思われる身なりのこぎれいなマダムに交じって観光客も多く訪れる。

ここの名物はBUTTER MILK PANCAKEではあるが私はあえてJUNBO CRABCAKE BENEDICTをお薦めしたい。

酸味のきいたドレッシングがアルグーラサラダとも合性がよい。

知らない人をあれこれ詮索するのはよくないが、NYは人間WATCHINGするには打ってつけの場所で非常に興味深い。先のマダムはNYの一等地に住み何一つ不自由のない生活をしているように見受けられるが、その実大都会NYで暮らす表情が何か寂しげなたたずまいであると思うのは私だけであろうか。

忍び寄る超高齢化社会で子供と離れて暮らすのは米国社会だけに限らず日本とて近い将来子供に世話になりたくないと考える親が急増するのが容易に予見できる。

http://sarabethsrestaurants.com/central-park-south/

 

★3軒目はパリに本店があるPETROSSIANのレストランでなく7thAve 57&58STのCAFÉ&BOUTIQUESを訪れてほしい。

朝食としてNYならではのアボガドロブスターサラダのキャビア添えをぜいたくに食べて頂きたい。

なかなか気分も心も満たされること請け合いである。

http://www.petrossian.com/index.php?file=boutique/menu&ibt_id=5&imenu_id=85 

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ここで読者にお詫びであるが、私自身まだまだ食べることに夢中になるあまり写真を撮りそこなったケースが多くあり時としてべストショットがお届けできない未熟さをどうかご容赦下さい。

NYの食のシーンは世界トップレベルで美味しいもののてんこ盛りである。

 

次号は米国人にとってのステーキとは?!という題材で記事をお届けします。乞うご期待!!

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Mark Akabori

Mark Akabori

1950年5月18日生。この世に生を受けた時間がなんと午後3時おやつの時間でこの時から先天的食欲症で食べること大好き人間。それが講じて男の手料理をたしなむ。 父は生命保険会社勤務で当時は自宅接待が多くお客さんの多い家庭に育ち母親は料理上手。 青山学院大学卒業後、日産自動車(株)本社に勤務。米国イリノイ大学ビジネススクール(MBA)社費留学を契機に米国を中心にカナダ、中東を含め累計約25年間駐在し訪問国は70を超える。 本年66歳を機に日系自動車販売会社のカナダ事業CEOから現役引退し、自宅のある米国ミシガン州のデトロイト郊外に暮らす。
Mark Akabori

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コメント11件

 ナンシー | 2016.10.04 9:15

朝からロブスターサラダのキャビア添え(添えっていうよりてんこ盛りじゃないですか)なんて、何て贅沢なんでしょう。NYは超A級からB級まで美味しいものが山のようにありますよね。なかなか行けませんが、またNYに行きたくなってきました。ステーキ編も楽しみにしています!

 ゆめ | 2016.10.04 16:03

やっと赤堀さんのコーナー始まった!
NYに行く前に聞けていたらと思いました!
日本にいらっしゃる時のお話も楽しみにしています。

 Anna | 2016.10.04 16:36

次のNY旅行がまた楽しみになりました!世界を、食べて回って来られた方だけあって、エッセイ面白くて、ワクワクしながら読ませて頂きました。写真も雰囲気が伝わってきて素敵ですよ。私も食べるのが好きなので、今後のエッセイも楽しみにしています!

Nobu Nobu | 2016.10.05 22:55

Markさん! 貴重な情報ありがとうございます。次回も楽しみにしています。

 Spike | 2016.10.06 0:26

素敵なNYの朝食セレクションレポート、楽しませていただきました。次回のステーキ編も大いに期待しております。

 Chie | 2016.10.06 23:47

NY、早速行きたくなってしまいました!
赤堀さんが、NYと素敵なマダム達に溶け込んでいらっしゃるお姿を想像して〜
私もそんなNYを旅してみたいです。
次回のレポートも楽しみにしております。

 Jerry | 2016.10.07 8:43

赤堀さん、
すごいの一言。本当に本物の食通です。僕が太鼓判をどーんと押しますよ。

 Maria | 2016.10.08 3:24

素晴らしいですね!
リタイヤしても益々のご活躍を応援しています。

 Keith K | 2016.10.10 16:02

満を辞しての登場ですね。
NYC続編期待しています。
ハワイ編の取材にも来てください。

 田和 克己 | 2016.10.22 23:29

遅くなりましたがこの前はご来店いただきありがとうございました。その後日本は満喫されましたでしょうか?

読ましていただきましていい刺激にもなりまた私自信も行って見たくなりました。
また次回も楽しみにしています。
またお会いできる日を楽しみにしています。

 Mari | 2017.09.05 4:49

バックナンバーで今一気に読ませていただいています。NY在住のマダムの表現私も同じことを思っていました。Cafe & Boutiqueの一票私も入れさせていただきます。ZABAR’Sには何年も言っていなかったのでこの次必ず行ってみたいです。

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