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Mar 1, 2019

絵物語に「ヒカリ☆」をみっけ

-「好き」を選ぶこと、「想像」すること-

『ねえ、どれが いい?』
作:ジョン・バーニンガム 訳:松川 真弓  / 評論社

Text by emily

この絵本を息子と二人で一緒に読んだ。
たくさんのなんとも可愛い「どれが いい?」の問いかけに、
「おれはこっち!かあさんは?」
「おかあさんはこっちかな」とか「おかあさんも一緒!」と次はどんな選択提示があるのかワクワクしながらページをめくった。
選ぶたびに「だって〇〇だから」と、機能的なことや単純に好き嫌いという根拠の確認を遊びながら読み進んだ。
そこに正解も、否定することも、評価することもない。
ただ想像することを楽しんだ。

想像を体験するこの絵本を読み終えたあと、ふと考えた。
現実的でなければないほど直感的に選びやすく、想像しやすいことほど自分の経験から具体的に考えて少しワクワクしにくい。
子どもの頃は、経験したことがないこと、見たこともないものを一から思い浮かべるという「妄想」は、今よりたやすかった気がする。
経験したことに対する自己評価や価値観をもつ行為を重ねたことで、無意識に自分の可能性の領域を、少しずつ、決定づけているのかもしれない。

私たちの心はいつも瞬時に選んでいる。
「こっちがいいな」
「これはなくていいな」
かわいい・・柔らかそう・・美味しそう・・楽しそう・・
面白くなさそう・・暗そう・・痛そう・・重そう・・好みじゃない・・
現実になると嫌だな・・怖いな・・面倒だな・・
現実になったらどんなに素敵だろ・・

体験の記憶や他者からの影響による動機があるかもしれないが、
心の中に起こる選択の瞬間は、本人に明確な理由があるというより、
自覚なく、「なんとなく」だ。

選ぶってなんだろう。
「単純な」好きとは、どこからくるのだろう。
好きじゃないという感情は、どこからくるのだろう。

「希望に思いを巡らすこと」や「今の状況を振り返ること」以上に、
それらを判断する、理屈ではない説明のつかない内なる自分の声に、
「わたし」の「好き」や「好きじゃない」の感情のルーツが不思議に思えてしかたない。

人によってすごくいいよ!と選んでいるものが、自分にとっては共感しにくいものだったり、
自分にとってとても喜ばしいものが、人にとっては理解できないことだったりする。

当たり前にある「好み」。

誰もがもっている「好み」という対象。
誰もが選ぶことができる。
選ばれなくても、断られても、好かれなくても、自然なこと。
そう、とっても、自然なことなのだ。

相手も自分と同じだとしても、大げさに喜ぶことでもない。
ただ、同じなだけ。
自分と違うからといって、「区別」するものでもない。
区別しなくていいものに対して、
同じだとか違うとか、ほっとすることも、落ち込むことも、ない。
揺さぶられなくていいことだ。

大切なことは、
誰に評価される、区別されるものでもない、「好き」と感じることそのものを、
当たり前に認め、受けとめること。
それは自分という存在を愛することだ。
自分がもつ「好き」に気づこう。
自分がもつ「好き」を喜ぼう。
それが、わたしが、わたしである、ということだ。

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もしもだよ、
きみんちの まわりが かわるとしたら、
大水と、大雪と、ジャングルと、ねえ、どれが いい?

いくつもの「どれが いい?」

ぞうに おふろの おゆをのまれちゃう、たかに ごはんを 食べられちゃう、ぶたに ずぼんを はかれちゃう、かばに ふとんを とられちゃう?
ジャムだらけになる、犬に引っ張られてドロンコになる、水をかけられる?
おふろで食事、気球であさごはん、川でおやつ?
さるとあそぶ、コアラに本を読んでやる、ねことボクシング、犬とボード遊び、豚にのる、やぎとダンス?
食べるなら・・くものシチュー、かたつむりのおだんご、虫のおかゆ、へびのジュース?
手伝うなら・・妖精の魔法、小人の宝探し、魔物のいたずら、魔女のシチューづくり、サンタクロースのプレゼントめぐり?
住むなら・・はつかねずみとおりの中、金魚ばち、オウムと鳥かご、うさぎごや、にわりごや、犬ごや?
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物語の最後は、
「それともさ、もしかしたら ほんとうは、自分の ベッドで ねむりたい?」
という問いかけ。

息子のこたえは、「うん!」だった。

自由に想像していい
拘りやものごとに評価をもたないでいた無邪気な子供の頃にかえってみよう
そして、
もっと希望をもって明るく考えてみよう
当たり前のようにある「しあわせ」を見つけ、明るく今の自分をみてみよう


内なる自分の「好き」を認めた自分には、
どんな想像ができるだろうか
今をどんな風にみることができるだろうか

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emily

emily

ホテルマン・英会話学校マネージャー・大学助手の経験を経て、現在はキャリアカウンセラー・講師・イベント企画運営に従事。個人活動として「自分を知る」「解放する」「踏み出す」きっかけの提供を行う。幼少の頃から歌うことが大好きで現在は地域の音楽活動も行う。昔から夢からのメッセージを受けやすく、ある神社との繋がりを大事にしている。「楽しいこと」「魂が喜ぶこと」「表現・創造すること」が好きで感受性が強い。少し波乱万丈な人生を送っているシングルマザー。
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