おはなとおしゃべり
こ の 世 界 で 出 逢 う ひ と は、み ん な、運 命 の ひ と。
Text by Ai /Photo by Mikako
おはなは だまっているようで
じつは とっても おしゃべり上手。
こころがぐるぐるしたときは
おはなのこえをきいてみましょう。
***********************
☆こんにちは:)
*こんにちは:)
☆今日はバンクーバーの病院で、フラを踊ってきたよ。入院中のおじいちゃんとおばあちゃんたち、少し泣いてた。『Aloha Mahalo』踊ると、わたしもいつも涙がでる。
*うん:)
☆みんな、もうあんまり、からだも表情も動けなくなっているのに、だからこそココロには、見えなくてもほんとうに、スポンジみたいに染み込んでくれているのがわかる。その存在自体の美しさに、愛おしくて涙がでる。
*死の近くにいる人は、生の近くにいる人と同じくらい、たましいの光をよく吸収するんだ。“大いなる存在”のとても近くにいるから。
☆守られているということ?
*そう:)
☆『Aloha Mahalo』はトクベツな歌だよ。
*うん。あの歌は、きみのココロとつながっている。きみのお母さんのたましいとも。
☆病院は、特別な場所なんだ。哀しいけど。お母さんとずっと近くで、一緒にいられた場所。
*だから、きみがそこで踊るとき、お母さんも一緒に踊ってる。
☆だから涙が出るんだ。うれしくて。
*踊りは、歌も、音楽も、たましいたちと、“大いなる存在”とつながるためのツールだよ。いつでも歌って。踊っていて。前の人生でも、いつでもそうしていたように。
☆よしさん(フラの先生)が言ってた。フラを踊る人は、フラのかみさまに呼ばれてるんだって。
*そうだよ:)どんなことでも、今この人生でやっていることは、前の人生で何度も愛し合ってきたこと。それを見つけるたび、深めるたび、きみのたましいはキラキラ輝きを増す。
何がきみを喜ばせるかをちゃんと知っていれば、ぜんぶは点と点でつながって線になり、線が織かさなって立体になり、ほかひとたちが紡ぐ立体とも出逢って、つながっていく。
☆そうやって誰かと出逢って、でも別れていくことの方が多い。お別れは哀しい。出逢いが愛おしいほど。
*ほんとうは、すべてのものはただ“出逢ってる”だけなんだよ。出逢いも別れも、同じいのちの、別の“かたち”にすぎない。
☆どういうこと?
*この世界のぜんぶは、小さな小さな粒子たちが響き合って奏でる音楽みたいなもの。それが形を変えながら交じり合って、描き出しているのが、この世界。光に映る虹みたいなもの。実体はないんだ。
☆でも、わたしたちの感情は動くよ、とても。哀しい、愛おしい、苦い、甘い気持ちにも、実体がないの?
*きみたちは虹を美しいと思うだろうけど、その色を織り成す粒子同士が、どれだけ全身全霊でいのちを味わっているか想像できる?
☆虹は虹だよ。とてもきれいな。
*そう。虹がきれいなのは、その一番最初の原子たちそれぞれが、深く深くそのいのちを感じて生きているから。だから虹を見上げたら美しいと、奇跡だと思わずにいられない。きみたちの存在も、宇宙からみたら同じなんだよ。
☆う~ん。ここにいるわたしからは、わからないこともあるな。
*そうかもしれないね:)虹はね、太陽と雨と時が映し出すアート。きみたちも同じように、素晴らしいアートを見せてくれてるんだよ。
☆そうなのかな。
*そうなんだよ:)宇宙は、へその緒みたいにつながって、いつでも、きみたちが感じるすべてのこと一緒にを感じている。
☆じゃあ、わたしたちが苦い感情を感じたら、宇宙はどう思うの。
*苦しみも愛おしさも、どんな感情も、きみたちがつけた“色”だよ。「赤がよくて、オレンジがよくない」ってことはないでしょう。起こることは、ただ存在してる。それにどう意味を付けるか、そこから何を見出すか、それを宇宙は感じてる。そしてきみが感じたことが、この世界をつくっていく。
☆うん。
*頭でつくった“意味”にとらわれすぎないで。今存在していること、感じていることすべてが、ほんとうに美しいこと、それだけを知っておいて。
☆ハワイは、それを思い出しやすい場所だったのかも。
*そうだね。海、太陽、風、土、木々、すべてのエレメントが揃ってる。人間も、同じエレメントでできているから、本来の姿に還りやすい。
きみが愛する場所は、きみそのもの。きみがハワイ。きみが日本。きみがバンクーバー。世界のどこにいても。
☆うん。だからここで今、新しく自分をつくっているところ。いろんな変化があるけど。甘いことも、苦いこともあるけど。
*赤ちゃんの最初一歩がとても素晴らしいように、勇気ある挑戦を、宇宙はとっても祝福してる。だから、いろんなことを感じながらも、まず自分といっぱいつながって。まずは、きみ。それを忘れないで。
☆つい忘れちゃう。
*こうしておしゃべりしてる、そういう時間を大切にして。そしたらぜんぶが動き出すよ。
☆そうだね。
*きみ自身が一番のクライアント。一番のパートナー。大切に取り扱って。そしたら同じように大切にしてくれる人が自然とやってくる。
☆うん。そう想う。とても大切にしてくれる人がいたし、今もいる。
*それは、きみがそのひとたちのことも、大切にしてあげたから。愛も憎しみも、同じエネルギーを交換し合う。少し与えれば少し、たくさん与えればたくさん、返ってくる。
☆どんなにいっぱい交換しあっても、別れはくるんだね。
*“別れ”はない。かたちを変えるだけ。ほんとうに出逢ったものに、別れはこない。その一部になって、生きていくだけ。
☆でも、一生一緒に生きていくひとと、そうじゃないひとがいるよ。どうして?
*この世で出逢うひとは、みんな“運命のひと”なんだ。お互いに、何を、どれくらいの期間で学び合うか、たましい同士が決めてきてる。3日でも、30年でも、それぞれに尊い。一緒にいる期間の長さじゃないんだよ。
☆でもわたしも、一生を一緒に学び合う家族が欲しいなあ……。
*“欲しい”じゃなくて、もういるんだよ。きみのいる世界のすべてが、きみの家族。それに気づいたとき、きみの言う“家族”のかたちになっていく。
☆うん。そんな気がしてる。
*今、何が足りないということではなくて、そのことに気づくだけでいい。
☆そうだね。
*そのために、まずは、きみ。きみの人生の真ん中にいるきみ自身が、かみさまなんだ。大切にして、声を聞いて。きれいな花や水をあげて。歌と踊りを捧げて。
☆「肉体はかみさまが宿る寺院」って、よく言うもんね。
*そうだよ。だからね、こうして向き合ってくれて、ありがとう。
☆わたしも、ありがとう。
*いつでもここにいるから:)
☆うん。ありがとう:)
☆:)
*:)
***********************
Mikako Chiba / 撮る人
バンクーバーを中心に活躍するフォトグラファー。ウェディングやエンゲージ、ファミリーフォトなど、その人の内側にあるストーリーやキラメキを写し出す写真たちは、見る者の心をあたたかく震わせる。人物写真はもちろん、やさしく切なく物語を紡ぎ出す風景写真にも定評がある。
http://www.mikakochibaphotography.com/


最新記事 by Ai Funato (全て見る)
- この星で、また逢えたから。 - 2020年10月4日
- この星で、また逢えたから。 - 2020年9月4日
- この星で、また逢えたから。 - 2020年8月3日