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Aug 2, 2016

和なこと体験記

葉月

~ 鎌倉でお点前拝見

Photograph  & Text by Megumi Nishijima

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先月から始まったこのコラム。温かいコメントをくださった方々、ありがとうございます。嬉しく拝見しました。

今月は、編集長に事前に送っていたテーマ案から早くも離れまして(笑)、先日、鎌倉で思いもよらぬ素敵な時間が過ごせたので、その時のお話をしたいと思います。

私がかれこれ5年ほどヨガを教わっている先生が月に一度、鎌倉の鍼灸院でヨガのレッスンを開催しています。

こちらが最寄り駅の、江ノ島電鉄・極楽寺駅。

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3連休の中日だったせいか、江ノ電、すごい混雑!

満員電車でもみくちゃになりながらたどり着いたのですが、そんな俗世を忘れてしまいそうなほど、レトロな光景。

極楽寺という名前がもう、いいですよね。この世のものではない感がすごくて。

のどかな道をテクテク歩いて、レッスンが行われる鍼灸院へ。

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こんな感じの、趣ある日本家屋に到着しました。

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中へ入ると、また素敵なこと! 田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たかのような雰囲気です。

開け放した縁側からは、涼しく心地よい風が吹き抜けます。

 

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和室にヨガマットを敷いて、ヨガタイム。

先生の言葉に従いながら、体を動かし、心を定め、中心へと還っていく。

鳥や虫の鳴き声をBGMに、眼前に緑を眺めながら行うヨガは、いっそう気持ちがいいもの。

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お庭には、あふれんばかりの緑が広がります。

……ここまでだと単なるヨガ体験記なのですが、私が連載のトピックに選んだからには、こんなものでは終わりません(ふふふふふ)。

レッスン後、鍼灸院のご主人が「良かったらお茶をどうぞ」と奥の茶室へ案内してくださいました。

なんと、茶室があるなんて!

腰をかがめて中へ入ると……。

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茶釜や茶碗、茶せんなどお茶の道具が並び、おいしそうなお菓子も用意してくださって

いました。

奥様が一人ずつに抹茶を点ててくださり、ありがたくいただきます。

「作法は気にしないで。おいしいのが一番だから」と奥様。

みんなで楽しくおしゃべりしながら、お菓子を食べ、お茶を飲み、大いにくつろがせていただきました。

全員にお茶が行き渡ったら、奥様が「やりたい人はどうぞ」と、抹茶を点てさせてくれることに。

せっかくなのでやりたい!と、意気込んで挙手。

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茶釜の湯で椀を洗い、茶杓で抹茶を入れ(奥様は濃い方が好きなので「山盛り3杯」入れるのだとか。私もそれに倣いました)、湯を注ぎ、茶せんで点てます。

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シャカシャカシャカシャカ………。

奥様「ちょっと違うわねぇ。こんな感じよ」

私「こうですか?」

平面の円というより、立体の円を描く感じで、まるで空気を含ませるみたいにして茶せんを動かす奥様。見よう見まねでやってみるものの、はたして自分がちゃんとできているのかよくわかりません。

が、いただいてみるとおいしい!と思えたので、安心しました(自己評価甘いかもしれませんが)。

そしてお茶をいただきながら、茶道について少し教えていただきました。

奥様「茶釜に湯を戻すときは、わざと音を立てるの。チャポチャポという水の音が楽しめて、いいでしょう?」

懐石料理も同様に、こんな決め事があるのだそう。

「食べ終えたら、みんなで一斉に箸をお盆に置くの。バサッて。その音を聞いて、茶会の主人は『食べ終えたな』と判断して、引き上げに来るのよ。気配の文化なの。気配を伝えて、気配をキャッチして、みんなが動く。それが日本の文化」

気配の文化。

さりげなくて、つつましくて、奥ゆかしくて。

言葉どころか、気配のキャッチボールができる日本人の感性の細やかさに、「さすがだなぁ」と「すごいなぁ」の想いがむくむくと。

居心地の良さについ長居してしまいましたが、とても愉しく、心から幸せなひとときでした。

素敵な機会を、ありがとうございました。


今月の教訓:上級者は「言葉」ではなく「気配」で会話ができる


 

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Megumi Nishijima

Megumi Nishijima

文筆家、編集者、ヨガインストラクター、数秘リーダー。東京在住。 自分軸で豊かに生きる大人のためのコミュニティ「hatobaの会」発起人。幼少期より物語や言葉の持つ力に惹かれ、現在は出版業界に勤務。25歳でヨガを始めたこときっかけに、心・体・たましいのつながりに興味を持つ。「地に足のついたスピリチュアル」をテーマに、五感で感じたことを大切にしながら、自分の思いや体験を綴っている。
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