Magazine
Jan 29, 2017

瀬戸内小豆島~心地よく向き合う

Good Restaurant

Photo & Text by Hiroyuki Arimoto

arimoto_2

私は福岡県北九州市の出身。

縁あって今、住んでいるのは日本の「OLIVE ISLAND」。

瀬戸内海で淡路島に次いで二番目に大きい島、「小豆島」。

 

皆さんはオリーブに「愛」が隠されているのをご存じだろうか。

最近、若い女性がオリーブの木を囲んでジーッと探しものをしている。

「ハートのオリーブ」である。

ロケでよく俳優に混じって「ハートのオリーブ」を探すものの、私は大の苦手。一度も見つけたことがない。すでにハートを射止めているか、枯れてしまったのであろう(笑)

元来、小豆島というところは女性客やカップルが大半で男だけの旅行というのは聞いたことがない。

それは「オリーブ」「二十四の瞳」の大石先生、そして映画「八日目の蝉」での女優永作博美や井上真央の役のイメージ、そして今、人気の天使の散歩道「エンジェルロード」が起因しているのかもしれない。

 

ハートよりも喰い気の私は、いつも美味しい店を探している。

私が流れ着いたときのこの島は、飲食店といえば、食堂、うどん屋、割烹が目立っていたが、

最近では、オシャレなイタリアンのお店や美味しいパスタのお店がポツポツで建ち始めた。

食べることが大好きな私にとって、嬉しいことだ。

 

普通に考えてみると人口が減少を辿り、繁閑の顕著なこの島で商売をするより、地価は高くても東京や大阪で店を構える方が断然お客様の来店数は多いだろう。

お金が大切なのは誰しも当然のことではあるが、都会から新たにこの島に居を構えて飲食店を出すというオーナー達に聞くとそれだけでは括れない思いがあるという。

「オリーブの小豆島」でこの地のオリーブオイルを使い、美味しい料理をお客様に提供することは料理人にとっての夢や憧れであるというのだ。

たしかに今でも月の4分の一を東京に出張している私でさえ、島のあちこちで風に揺れるオリーブの枝や葉や海を見ているとあらためて自然という都会では感じ得ない非日常の快さを体感する。

 

日々、仕事とはいえストレスと向き合うとき、それを少しでも緩和してくれる安らぎがあるならこんな贅沢なことはない。

それがこの島の自然であり、島民との関わりであるのかもしれない。

 

私がよく行く「バルティナ」という店もそのひとつだ。

いつも「海老とマッシュルームのアヒージョ」とバケットを注文する。

そして、「小豆島産地蛸とオクラの明太子パスタ」がお気に入りである。

arimoto_3

arimoto_1

香川県といえば全国に知れ渡った「うどん県」。

讃岐うどんはコシが強く、うどん遍路やうどんタクシーがあるほどの人気ぶり。

私は福岡県北九州市で幼少を過ごしたこともあり、「うどんは柔らかい」と脳に刷り込まれているらしい。どうにも讃岐うどんは苦手である。折角、讃岐香川に居るのにと言われそうでだが、

東京でも昼はもっぱら蕎麦やパスタの店に好んで入る有り様である。

お蔭様で反対にパスタについては美味しい店で心行くまで味わいたいと思うのである。

 

小豆島の「バルティナ」はそういう私の腹を満足させてくれる。

https://www.facebook.com/Baru-Tina-%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%8A-180592335391432/

 

昼にもうひとつ紹介したいお店が小豆島にある。

創作料理「HICOS」。

ここのランチもお気に入りのひとつである。

小鉢や吸い物のほかに魚料理メインの日替わりのランチは、舌だけでなく目でも愉しませてくれる。

なかでも瀬戸内鰆のオリーブ焼き、ゲタ(舌平目)のムニエルは絶品。

映画ロケやドラマロケで北大路欣也さん、小林稔侍さんなど俳優さん達をお忍びでこの店にお連れすることも度々。

聞けばこの店の誕生は映画監督 黒澤明氏が関係しているという。

ここの元の主人はその昔、小豆島のホテルに勤めていた。

そして、その兄は映画「影武者」等に出演している黒澤組の俳優であった。

その縁あって、黒澤監督から「お前、料理上手いんだから料理屋をやってみろ!」と言われたホテル勤めの弟は一大決心してホテルを辞め、「HICOS」をオープンさせる。

そして代替わりし、今はその娘とそのご主人が跡を継いでその味を守っている。

arimoto_4

そのほか草壁港近くの「フリュウ」も人気の本格イタリアンのお店である。

オーナーの渋谷くんも移住者のひとり。

昨年開催された瀬戸内国際芸術祭2016を機に新たに草壁港横に小豆島の柑橘類などを

使用したジェラート専門店「MINORI GELATO」をオープンさせた。

今では小豆島の人気店のひとつである。http://minorigelato.com/

 

The following two tabs change content below.
ArimotoHiroyuki

ArimotoHiroyuki

一般財団法人岬の分教場保存会 専務理事 / 小豆島映像支援実行委員会理事 / 一般社団法人小豆島観光協会理事 / 小豆島町観光協議会副会長 / 四国ディスティネーションキャンペーン小豆島誘致実行委員会本部長 / 一般財団法人一本のクギを讃える会理事 / 故高峰秀子家アドバイザー/ 1962年福岡県北九州市生まれ。 観光施設二十四の瞳映画村の再生立て直しのため、平成12年に民間人より常勤役員として登用される。映画「八日目の蝉」、ドラマ「二十四の瞳」、CM「ダイハツ第3のエコカー」、「トヨタパッソ」などの数多くの映画・ ドラマ・旅番組・CMに関わる一方、施設内に1950年代日本映画黄金期ギャラリー、ギャラリー松竹座映画館や邦画シネマアートウォールの建設をし、古き日本映画の普及活動に力を入れる。また、音楽分野では女優島田歌穂によるミュージカル「二十四の瞳」東京公演・小豆島公演、日本最大ゴスペルクワイヤであるアノインティッド・マス・クワイヤーによる棚田を背景にした農村歌舞伎舞台でのゴスペルプロデュースや、スタジオジブリや映画監督・俳優などを用いたトークイベント「喋楽苦」、木下惠介生誕100年ひとつ木の下プロジェクト事務局や人気舞台 劇団☆新感線を映像化したゲキ×シネを小豆島で上映するなど地方から中央へ発信することを基本に活動する。
Comment





Comment