おはなとおしゃべり
きみが見たい景色は?
Text by Ai / Photo by Mikako
おはなは だまっているようで
じつは とっても おしゃべり上手。
こころがぐるぐるしたときは
おはなのこえをきいてみましょう。
***********************
☆こんにちは:)
*こんにちは:)
☆:)
*げんきないね。どうしたの?
☆わかんない。頭のてっぺんがぐ~っとする。なんだろう。
*きみのクセ。足もとの地面ばっかりじーっと見つめて、土とか虫とか草とか、観察しすぎて、汚いとか嫌いだとかでも愛おしいとか、言ってる:) 小さな宇宙はもちろん素晴らしいけど、きみの探してる答えはそこにはないよ。
☆ずっと探してるんだよ。どこにあるんだろう。
*動いて、風を起こして、水が流れていく。土に染み込んで、木々が育って、空に還って。雨が降ってまた土に還っていく。そのサイクルの中にしか、答えはないんだよ。
☆うん。ずうっと、動いているつもりなんだけど、まだ形がなかなか見えなくて、重たくなってしまうことがある。
*いらないものを手放して。恐怖とか、疑いとかを溜め込んでいたら、重たくなって、見たくなくて、やがて力を奪われてしまう。
☆このいらないもの、どっかにやっちゃいたい。
*「いらないものをどっかにやらないと」って思うと、腰が重くて立てなくなる。それよりも「大好きなことやろう」って、1日3分でも、1個でもいいから、決めて、なるべく空気がキレイなうちに。そうしたら、風が吹いて、“次の流れ”がおこるよ。
☆そっか、そうだね。
*でもね、表現する人は、人のこころの痛みを癒す人でもある。うつむいて、重たくて、動けない。それを、誰かの痛みを包み込むために、自ら体感しているんだよ。
☆そうなのかなあ。ときどきしんどいし、そんな自分のことが、すごく面倒だなって思う。もっとただ軽く無駄なく生きたいのに。
*無駄なく生きているように見える人も、いろんなところで“道草”してるんだよ。その人の使命を果たすために。“無駄”なんてないんだよ。誰かと比べたときに、そういう風に見えるだけ。
☆うん。そうかもしれない。
*もしほんとうにきみが、“ただ軽く無駄なく”生きてたら、きみの使命はまた別のものになっていたはず。きみのたましいがきみの使命を選んで、この星の上で何をするかを選んで、その使命にふさわしい生き方、感じ方、“道草”をしてるだけなんだよ。
☆そうだね。けど、もっともっと早く動かしていきたい。何もかたちになってないくて、自分が何者でもないみたいで、いつも焦ったり空っぽな気持ちになる。
*回す車輪が大きいほど、それを動かすトレーニングも必要だし、エネルギーも時間もかかる。
だからこそ、“自力”でなく“他力”、ひとのちからを借りたり、“ひと”を超えて、宇宙の力を借りて動かしていくことが大事。
*うん。ひともだけど、宇宙はどうやって力を借りたらいいの。
☆もうきみはすでにやってると思うけど、きみ自身のBody Mind Spiritをクリアにして。食生活、情報、とりこむすべてを、よく見て。
そして、行動すること。“行動”が宇宙への「これちょうだい!」のサイン。
宇宙はなんでもできるけど、動かないものを助けることはできない。最初の一歩は人間が踏み出す。その一歩ほど尊いものはない。だって、宇宙はCreationが大好きだから。Createするひとを、愛しているから。
アーティストと呼ばれるひと、音楽、ダンス、詩人、発明家、それだけじゃなくて、どこにいても、その場所でCreate(愛を産み伝えること)するひとを、宇宙は愛しサポートするんだよ。
*そうだね。クリアにして、行動する。
☆そうしたら、足もとの地面だけじゃなく、森や草原や海が見えて視界が広がって、そこだけを見つめて動けなくなるヒマもなくなるよ。
もちろん、足もとの小宇宙を見つめて立ち止まることも、きみの使命を果たすのに必要な“観察”と“体験”なんだよ。
けど、そこばかりを“すべての世界”と信じて凝視していたら、目がおかしくなって、きみのこころの中にある影を映して、ありもしないものが見えてしまう。
*幻覚にエネルギーを奪われる。ほんとうはそんなこと起きていないのに。
☆それとね、きみたちの世界の、例えば、仕事や、パートナーや、学校や、人生のこと。すべてはつながっている。だから“何か”をどうにかしようともがくよりも、まず“今ここ”で“愛”でいることが一番大事。
どれかひとつをとって「この扉を開けたいのに!」と暴れても、押しても引いても蹴飛ばしても、開きやしない。別の扉が開いてるんだもの。
*そこに集中、固執しないほうがいいってこと?
☆集中すべきなのは、ワクワクすること。ワクワクは「ここだよ!」のサイン。「こっちに扉があるよ!」って。
*そうだね。ワクワクすることはたくさんある。でも同時に、なんだかときどき、寂しい気持ちになることもある。
☆今までのステージから、別のステージに行こうとしているから、例えば記憶や、土地や、ひととの距離感が変わるのは仕方ない。それがときどき、傷ついた、傷つけられた、っていう風に見えるのは、この世界がまだ、物質でできているから。
ほんとうは、ただ大きな大きな意志“でもって“変化している”だけで、何の摩擦もおきていないんだ。けど、肉体をもって生きているから、擦れあったように、ぶつかり合ったように、感じるだけ。
でも、そうやって、人間だからこそ感じられる“痛み”によって、たましいがもっと深く目覚めたとき、きみたちの使命は新しいステージに進むんだよ。
*そうだね、そうやって、いろんな景色を見るためにここにいるんだね。
☆そう。だから楽しんで。
*うん。見たい景色はたくさんあるんだ。
☆もう、すぐそこにあるよ。焦ったりしないで、ただ楽しんで。
うん:)ありがとう。
☆こちらこそ、ありがとう:)
*:)
☆:)
***********************
Mikako Chiba / 撮る人
バンクーバーを中心に活躍するフォトグラファー。ウェディングやエンゲージ、ファミリーフォトなど、その人の内側にあるストーリーやキラメキを写し出す写真たちは、見る者の心をあたたかく震わせる。人物写真はもちろん、やさしく切なく物語を紡ぎ出す風景写真にも定評がある。
http://www.mikakochibaphotography.com/


最新記事 by Ai Funato (全て見る)
- この星で、また逢えたから。 - 2020年10月4日
- この星で、また逢えたから。 - 2020年9月4日
- この星で、また逢えたから。 - 2020年8月3日