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Jun 2, 2017

和なこと体験記

水無月

~三味線で自己鍛錬

Text by Megumi Nishijima

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三味線を習い始めて、5ヶ月ほど経ちました。月に2~3回、根津にある稽古場に通っています。稽古は一回40分程度で、そのうち実際に三味線を弾いているのは20分程度。しかし、すべての神経を張り巡らせて、最大限に集中している感じで、稽古が終わるとヘトヘト。充実感と、心地いい疲労感を携えて、帰路につくのです。

課題曲は「さくら」から始まり、今は長唄に入りました。師匠から「一気に難しくなるよ」と言われていたので戦々恐々としていたのだけど、やってみたら「さくら」より断然おもしろい! 今習っているのは、歌舞伎の舞踊曲「末広狩」。冒頭がかっこいいのです。

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三味線を弾く上での「常識」を、私はまだ持ち合わせていません。バチの持ち方、糸の押さえ方、三味線の角度等々、お稽古のたびにどこかしら注意されます。

「最初にそういう癖がつくと、後から直すのは大変だよ」と師匠。

その場で修正し、正しい感覚を探りながら、なんとなくこんな感じ?と会得していく。やはり、「型」が体になじむまでは大変だなぁと、改めて感じている次第。

楽しいのは、師匠と一緒に演奏するとき。私が本手(主線)、師匠が替手(かえで。主線とは違うメロディのこと)で一緒に弾いたりするのですが、そういうときは「楽器好き〜!演奏楽しい〜!」と、心にふつふつと喜びが沸き上がります。無心。頭の中でごちゃごちゃ考えていたら、弾けないもの。そんなふうに、自我を超えたところにある大きな何かとつながることができるのも、貴重な時間です。

趣味といえど、そこは日本文化の世界。お稽古の時だけ三味線に触ってなんとかなるものではないので、なるべく自宅でも練習するようにしています。復習と、できれば予習と。

いや、正直、練習なんて面倒くさいし、「もうやーめた!」ってことにしちゃえば本当にすっかり私は放棄するだろなって感じなのだけど、やっぱり初めたばかりで「全然楽しいっす!!!!」って方が嘘やろって思いますから、これはこれでいいんでしょうね。

型が身についた先に、自由な表現がある。三味線に限らず、何事もそうですよね。

継続すること、素直でいること、頭で考えすぎないこと。

生きていく上で大切なことを、和のお稽古を通じて、改めて教わっている最中です。


今月の教訓:型ができた先に、自由が広がっている


 

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Megumi Nishijima

Megumi Nishijima

文筆家、編集者、ヨガインストラクター、数秘リーダー。東京在住。 自分軸で豊かに生きる大人のためのコミュニティ「hatobaの会」発起人。幼少期より物語や言葉の持つ力に惹かれ、現在は出版業界に勤務。25歳でヨガを始めたこときっかけに、心・体・たましいのつながりに興味を持つ。「地に足のついたスピリチュアル」をテーマに、五感で感じたことを大切にしながら、自分の思いや体験を綴っている。
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