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Oct 1, 2017

瀬戸内小豆島~心地よく向き合う

Takeo Nakahara

Photo & Text by Hiroyuki Arimoto

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私は福岡県北九州市の出身。

縁あって今、住んでいるのは日本の「OLIVE ISLAND」。

瀬戸内海で淡路島に次いで二番目に大きい島、「小豆島」。

 

昨夏8年ぶりに知り合いの映画監督から一本の電話があった。

小豆島を舞台にして映画を撮りたいという。嬉しいニュースである。

本は、第二次世界大戦中、檀家から誹謗中傷され、宗門からも懲戒され、特高警察に逮捕されながらも「人の命を損なう戦争は罪悪である」と信念を曲げなかった僧侶とその僧侶の影響を受けたひとりの落語家との話である。

本来は岐阜が舞台の話であるが、その内容を小豆島に当てはめて脚本を書きなおすという。

岐阜が舞台なら岐阜で撮ればと思いがちであるが、映画撮影には諸事情でそれが叶わない場合も多々あるのも事実である。

結果、小豆島で支援することにした。

 

早速、9月にロケハンを行った。

小豆島には四国と同様に八十八ヶ所のお寺があり、私はお薦めする寺を数か所監督以下ロケハンスタッフと回った。監督はこの後も時間を掛けて寺を回り、なんと八十ヶ所は制覇したというから驚く。当初、○○座の看板俳優K氏を主演として話は進んでいたが、冬に入ろうかというとき急転直下でこの話は破断になる。

しかし、監督は諦めず主演を探した結果、とんでもない主役を手に入れることになった。

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それが俳優 中原丈雄さんである。

中原丈雄といえば、日本を代表するバイプレーヤーである。

映画デビュー作である中島丈博監督作品「おこげ」(1992)では妻を持つ同性愛の中年サラリーマンを演じて、多くの批評家に絶賛される。以降、映画作品に、「絆」、「ワイルド7」、「連合艦隊司令長官 山本五十六」、 韓国映画「青燕」、マックス・マニックス監督作品「レイン・フォール」、イザベル・コイシェ監督作品「ナイト・トーキョー・デイ」等他多数がある。

NHK連続テレビ小説「花子とアン」ではミスタードミンゴこと村岡印刷の社長の村岡平祐役や大河ドラマ「真田丸」で真田幸村の家老高梨内記役を演じ、フジテレビ月9「コードブルー」で新垣結衣の父親役白石教授として人気も高い。

また、山崎製パン株式会社の「ゴールドシリーズ」のCMに出演中でパンの売れ行きも好調だという。

小豆島ロケの話に戻るが、中原丈雄主演として、映画「明日へ~戦争は罪悪である~」は4月11日~4月26日でロケ日程が組まれた。舞台は小豆島とさぬき市津田の松原で撮影された。多くの地元エキストラも参加して濃密な時間を過ごした。

そのロケ中、中原さんの傍に長く居た私は、彼の人柄に感銘を受けた。

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私も多くの俳優さん達のアテンドやお世話をしているが中原丈雄という人物はお世辞を抜きにして魅力溢れる素晴らしい俳優さんである。

中原さんは俳優業だけでなく、多才で絵画、音楽にも精通しており、その才能は高く世間に評価されている。

これからもその才能を様々な場面で発揮してくれるに違いないが、まずはこの小豆島を舞台にした映画「明日へ~戦争は罪悪である~」を多くの人に観て頂きたい。

只、悲しいことにこの映画のプロデューサーが最低最悪だったことから、限られた場所でのホール上映になっている。

 

悔しく淋しいことだが、映画には製作宣伝に至る過程において、素晴らしい作品であるにもかかわらず、陽の目を見ない良作が沢山ある。

きっとこの作品もそのひとつになるのかもしれない。

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ArimotoHiroyuki

一般財団法人岬の分教場保存会 専務理事 / 小豆島映像支援実行委員会理事 / 一般社団法人小豆島観光協会理事 / 小豆島町観光協議会副会長 / 四国ディスティネーションキャンペーン小豆島誘致実行委員会本部長 / 一般財団法人一本のクギを讃える会理事 / 故高峰秀子家アドバイザー/ 1962年福岡県北九州市生まれ。 観光施設二十四の瞳映画村の再生立て直しのため、平成12年に民間人より常勤役員として登用される。映画「八日目の蝉」、ドラマ「二十四の瞳」、CM「ダイハツ第3のエコカー」、「トヨタパッソ」などの数多くの映画・ ドラマ・旅番組・CMに関わる一方、施設内に1950年代日本映画黄金期ギャラリー、ギャラリー松竹座映画館や邦画シネマアートウォールの建設をし、古き日本映画の普及活動に力を入れる。また、音楽分野では女優島田歌穂によるミュージカル「二十四の瞳」東京公演・小豆島公演、日本最大ゴスペルクワイヤであるアノインティッド・マス・クワイヤーによる棚田を背景にした農村歌舞伎舞台でのゴスペルプロデュースや、スタジオジブリや映画監督・俳優などを用いたトークイベント「喋楽苦」、木下惠介生誕100年ひとつ木の下プロジェクト事務局や人気舞台 劇団☆新感線を映像化したゲキ×シネを小豆島で上映するなど地方から中央へ発信することを基本に活動する。
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