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Nov 1, 2017

イン・マイ・ライフ

最終回 

ダークサイド?を垣間見て

 Photo & text by Sammy Takahashi

sammy_decweb

これまで、ふしぎな体験が数々ありました。その多くは私に知恵を授けてくれる善に基づくものでしたが、この世の中には光があれば影も存在するのです。ここではそのダークな面のエピソードをいくつかご紹介します。かつて経営していたバンクーバーの英語学校でのことです。ある時私が学校の受付で働いているジャッキーに業務上の注意をしたところ、彼女は怒って仕事を放り出して出ていってしまいました。ただの注意だけで、怒鳴ったり人格を傷つけたりしたわけではありません。それなのに職場放棄とはひどいなと思っていたところに、ジャッキーと仲のいい同僚のアンナが、私の7階のオフィスにやってきて説教を始めました。

「いいですか、サミー。あなたがジャッキーにどんな思いをさせたか、わたしの目をよく見て反省するのよ」

私は仕事として当然のことを言ったまでです。それなのに2時間もの職場放棄でしたから、それを許すべきとは思えないと述べましたが、アンナは納得しませんでした。

「どういうことを彼女に言ったのかよく考えてきて」

と一方的な姿勢です。らちがあかないので私は

「わかった。考えてくる」

と答えました。事が起こったのはその後です。帰宅するために駐車場に行って車に乗り込んだら、どうしたことか右半身が動きません。それでもどうにかして帰ろうと車を運転していたら、みるみるうちに体が締め付けられるように痛くなってきたのです。おそるおそる運転して、なんとか家にたどり着きましたが、家でもある一定の姿勢でしか耐えられない状態が続きました。考えられる原因はただ一つ、会社でアンナから「私の目を見て」と言われたことだけでした。その時きっと私は暗示にかけられたのだと思います。まるで悪さをした孫悟空のように、三蔵法師に頭の金の輪を締め付けられているようでした。「僕はアンナに呪いのようなものをかけられた。きっとブラックマジックをかけられたんだよ」と言う私に、妻は「何ばかなことを言ってるの?」と相手にせず、翌日の出社も妻からは「その体じゃ無理よ」と言われましたが、「とにかくアンナと話があるから」と頼み込んで会社へ送ってもらいました。

会社に着くとまっすぐアンナのところに行って言いました。

「こんなんじゃ仕事もできない。君は僕に呪いをかけただろう。この呪いを解いてくれ」

アンナはくすくす笑いながら言いました。

「そんなことは身に覚えがないわ」

「嘘をつくんじゃない。僕がジャッキーをいじめたからと報復のためにこんなことをしたんだろう?」

しばらくこうしたやり取りをした後、ついにアンナは言いました。

「わかったわ。許すわ。でも70パーセントね」

そう言った直後から、体がすーっと楽になってきました。

「70パーセントなんて言わずに100パーセント楽にしてくれよ」

「じゃあ一つ、私にそんな力があるかどうか試してみましょうか」

「そんな、これ以上誰にも僕みたいな苦しみを与えないでくれよ」

と頼みましたが、アンナはこう言いました。

「この職場に私の嫌いな人がいるから、そんな痛めつけるわけでなく、ちょっと術をかけてみて、もしかかったらあなたを100パーセント許してあげるわ」

彼女は自分の上司に頭痛が起こるよう術をかけて、その上司が頭痛を訴えるかどうかを試してみるというのです。その後、ほどなくしてその上司は本当に私のところに頭痛を訴えにきました。恐ろしいことです。

「君はそういう力をあやつれるようだが、その力をむやみに使ったら自分に返ってくるぞ」

アンナに対して諭すように話をしているうちに、私の体が楽になっていきました。落ち着きを取り戻し、彼女と話を続けているうちにわかったことがありました。アンナが南米を旅行してピラミッドに行った時のこと。安置されているミイラを見ていたら、ミイラが叫ぶように彼女に訴えてきたと言うのです。ミイラ自身がどんな形で死に、どんなことをされたかと。そんな体験をしていることからも、アンナにはそうした目に見えない力をやり取りする能力があると確証を得ました。これではまたいつどんな目に遭うかわからないので、なんとかしなくては思っていたところ、たまたま通っていた気功の先生がいい事を教えてくださいました。イメージを使ってエネルギー的に自分の身を守るテクニックです。自分の周り、自分の大事な人たちの周りにシールドを張るというその方法を、アンナと接するときには毎回使ってみるようにしてきました。

もう一つこれに似た体験があります。先の一件から学んだおかげで、あらかじめ予期できればシールドを張れるのですが、そうでない時もあるわけです。この体験は東京・山の手線に乗って移動中のことでした。出張に同行していた社員のひとから「サミーさん、サミーさん、あそこの人」と耳打ちされ、彼女の視線を追ってみると、向かいの座席に一人の女の子が。その子の印象を一言で言えばぞっとするような「死神」でした。「見ちゃだめだ、見ちゃだめだー」と思っても、ついつい好奇心にかられて見てしまいました。どこか現実の3次元ではないところにいるような感じで、服装はコスプレです。その若い女の子が履いている白い網タイツのひざ下から長い引っかき傷があって血が流れていました。体からはまるで氷のような青い光が出ている感じがしました。「見るな!見るな!」と彼女に言っているうち、その女の子は原宿辺りの駅で降りていきました。その翌日、大阪に移動して神戸出身の卒業生と楽しく食事をして「また会いましょう!」と互いに元気よく挨拶を交わして別れたのですが、ホテルの部屋に入ると楽しかったはずの気分から一転して、体がぐったりとしてきました。なぜか部屋には線香のにおいが漂っていました。気分の悪さを流そうとシャワーを浴びたところ、もっと気分が悪くなり、マッサージでも受ければ変わるかと思って頼んだところ、さらに気分が悪くなって、どうにもならなくなりました。こんな旅先で倒れるのは嫌ですから、力を振り絞ってホテルのフロントに行って言いました。

「気分が悪いのですが、救急車で運ばれることになっては嫌ですから、自分で救急病院に行きたいのですが…」

病院の救急患者受け入れ拒否との報道はよく聞いていましたが、その通りでした。フロントの人が私に「お客様、申し訳ありません、もうしばらくお待ちください。ここの病院もだめでここもだめで…」と困り果てた表情で伝えてきました。もう気分の悪さはピークに達してきて、冷や汗が出ました。

「お客様!見つかりました!今タクシーをお呼びします!」

30分も待たされた私は気を失う寸前の体調の悪いところまできていました。タクシーの運転手さんからは「お客さん、もうちょっとで着きますから!!」と激励されながら新大阪の済生会病院にたどり着いて見てもらったのですが、診断は――「なんともありません」でした。「でも先生、苦しくて苦しくて」と訴えたのですが、血圧も問題なく異常は見当たらないというのです。仕方なくその日はこちらからお願いして精神安定剤を打ってもらって、ホテルに戻りました。その夜は大丈夫だったのですが、やはり翌日の晩、同じ状態が起こりました。その時は地下鉄でその同じ病院に向かい、違う医師に見てもらえたのですが、結果は一緒でした。

「別の部屋に移ったらいいのでは」と思いついて、翌日の宿泊はホテルを変えてみるともう何も起こりませんでした。ホテルに問題があったのか、はたまた東京から死神を連れてきてしまったのかはわかりません。こんなことを書くと頭がおかしいと思われそうですが、事実は事実なのだからしようがありません。

ちなみに、カナダに帰ってきてから医師に心電図を計ってもらい、霊の仕業ではないかと自分の所感を伝えたところ、「私は医者であり、科学者です」ときっぱり言われたうえ、「ほら、こうやって、呼吸を自分で荒くしていったら息ができなくなるでしょう」とまったく取り合ってもらえませんでした。それも仕方のないことです。科学が森羅万象をすべて解明できるわけではないのですから。

また比較的最近、またしてもダークサイドへ引きずり込まれてしまった例をお話します。現在請け負っている仕事の一環で、カリフォルニアにある英語学校の立て直しを試みていた時のことです。なぜか学生募集がうまくいかない、人が寄り付かないという状態を打破するために、10年来の付き合いのあるアメリカ人のトーマスをその学校の責任者に起用しようと思いました。ところが現職の責任者がブラックマジックを操る魔女そのもので、お人よしのトーマスに様々な罠とも思えることを仕掛けてきました。トーマスはその巧みな罠に引っ掛かってしまい、最後には職を失いました。その過程でトーマスのことをわが身のことのように思いやっている私に信じ難いことが起きだしました。普段はなぜか路上の警察のネズミ捕りを事前に察知できる私ですが、スピード違反で警察に捕まってしまいました。いつもは何となく直感が働くのですが、その日は全くの無警戒だったのです。またその翌日、2時間駐車できるところに路上駐車して、エンジンを止めてトーマスからのメールを読んでいると、目の前の空いているスペースに車が入ってきて、バックして駐車しようとしました。するとその車はバックし過ぎて私の車に衝突したのです。これはツイていないと思い、ゆっくりとそのドライバーのところに行き、

「あなたは私の車を当てましたよね?」

と言ったとたん、

「何を馬鹿なことを言っているんだ。当てる訳がないじゃないか」

と怒ってきました。

「よくそんなことが言えますね。否を認めないのですか」

と言ったところに通行人がいて

「私は目撃したわよ」

と言ってくれたのでひとまず安心だと思いきや、私に向かって

「あなたは大ウソつきよ。この人はあなたの車なんか当てていないわよ」

と言い出すのです。私はもうびっくりしてしまい、気が動転しそうでした。そのドライバーは私を睨みつけ、

「警察を呼ぶ。お前を懲らしめてやる」

と何度も言い続けました。なんとも奇妙な出来事で、まるで異次元に入り込んでしまったかのようでした。その夜、私はヒーラーの友人にその奇妙な出来事を話しました。するとその友人は、どうやら私はトーマスと気持ちが一心同体になっていて、彼が痛めつけられるとそれがもろに私にも影響を与えているのだと説明してくれました。確かに私は以前のこともあり、普段は客観的に自分を邪悪なエネルギーから守る術を知っています。しかしこの件ではすっかりトーマスの気持ちになりきっていたため、おそらく強い念の影響を受けてしまっていたのだと思います。

「サミーさん、自分の体が入るくらいの大きなしゃぼん玉をイメージして、その中に入ってください。そのシャボン玉は外から突いても弾力があって弾けないんです。そしていったん辛いかも知れませんが、トーマスさんとの糸をハサミでプッツリ、切り離してくださいね」

私は言われるまま、ハサミをイメージしてトーマスとのつながりをチョキチョキと切りました。するとトーマスはゆっくりと私が入っているシャボン玉から切り離されて下方へ落ちていきました。以来、理不尽なことには出会っていません。それにしてもなんとも奇妙な経験でした。

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Sammy Takahashi

Sammy Takahashi

26年前にカナダのバンクーバーに移住。 約30年前に金星から来たという友人に出会うことがきっかけでスピリチュアルな人生をまっしぐらに生きてきました。今回のインマイライフ パート2は一昨年に連載されたインマイライフの続編です。人生は小説より奇なりと言われます。今回は7編をご用意しています。
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コメント2件

Noriko Gaube Noriko Gaube | 2017.11.04 12:17

Sammyさん、とても興味深いお話です。お会いしてお話できる日を楽しみにしています。

Sammy Takahashi Sammy Takahashi | 2017.11.06 1:19

Norikoさま、お読みいただきありがとうございます。お目にかかれる日を楽しみにしています

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