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Dec 1, 2017

瀬戸内小豆島~心地よく向き合う

New Tourism – Ⅰ

Photo & Text by Hiroyuki Arimoto

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私は福岡県北九州市の出身。

縁あって今、住んでいるのは日本の「OLIVE ISLAND」。

瀬戸内海で淡路島に次いで二番目に大きい島、「小豆島」。

 

最近、よく耳にする「ニューツーリズム」という言葉。

従来の物見遊山的な観光旅行に対して、これまで観光資源 としては気付かれていなかったような地域固有の資源を新たに活用し、体験型・交流型 の要素を取り入れた旅行の形態のことをいうのであるが、近年、日本政府もニューツーリズムの創出・促進を大きく掲げており、国土交通省の観光立国推進基本計画にも入っている。

産業観光、文化観光、グリーンツーリズム、長期滞在型観光、船旅、農山漁村観光など何かに特化したものが目を引く。

この他にも医療ツーリズムのように自分の地域の病院に外国人が人間ドックを受けに来てもらう仕組みをつけたものなど様々な取り組みがなされている。

小豆島においていえば、地場産業の醤油作りをしている企業に訪れ、醤油蔵を見学して、その地域に根付いた歴史や製造方法を学ぶ。

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また、手延べ素麺の会社では天日干しした素麺の箸分け体験などを行い、オリーブの会社では、なぜ小豆島が日本のオリーブの発祥地と呼ばれるかとなどの歴史や収穫を体験したり、自分だけのマイオリーブオイルを造るなど体験が主流である。

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じつはこのような観光の在り方は受け側からするとひじょうに手間が掛る取組である。

必ず説明する人間が必要であり、少ロットすなわち少人数を対象にしなければならないため、時間と労力が必要になる。

今迄の団体型旅行だと多くの人が一辺に動くため、説明が必要でも一回に多くの人を捌くことが出来た。また、お客さんが自ら興味のあるものに動いてくれて手間も省け、バスが到着する際のお出迎えと帰る際のお見送りが最重要であった。

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今やそれだけ、細かくお客様の喜んでもらえることを受け側も考えていかなければ、やっていけないという厳しい時代に突入したということであろう。

旅行自体が小型化してFITと呼ばれる個人旅行が主流になり、団体旅行全盛期のように年金旅行や会社の慰安旅行などは極端に減少した。ある会社では慰安旅行を企画しても参加する社員がほとんどいないため成立しないという。それだけ、人の考え方もはっきりしてきたということであろう。旅行に行くなら仲のいい仲間、気のいい仲間と行きたいと考えるのは極々当たり前のことである。

いかに自分達の地域が自ら魅力になるものを選出し、磨きを掛けていくかが問われる時代になっている。

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ArimotoHiroyuki

一般財団法人岬の分教場保存会 専務理事 / 小豆島映像支援実行委員会理事 / 一般社団法人小豆島観光協会理事 / 小豆島町観光協議会副会長 / 四国ディスティネーションキャンペーン小豆島誘致実行委員会本部長 / 一般財団法人一本のクギを讃える会理事 / 故高峰秀子家アドバイザー/ 1962年福岡県北九州市生まれ。 観光施設二十四の瞳映画村の再生立て直しのため、平成12年に民間人より常勤役員として登用される。映画「八日目の蝉」、ドラマ「二十四の瞳」、CM「ダイハツ第3のエコカー」、「トヨタパッソ」などの数多くの映画・ ドラマ・旅番組・CMに関わる一方、施設内に1950年代日本映画黄金期ギャラリー、ギャラリー松竹座映画館や邦画シネマアートウォールの建設をし、古き日本映画の普及活動に力を入れる。また、音楽分野では女優島田歌穂によるミュージカル「二十四の瞳」東京公演・小豆島公演、日本最大ゴスペルクワイヤであるアノインティッド・マス・クワイヤーによる棚田を背景にした農村歌舞伎舞台でのゴスペルプロデュースや、スタジオジブリや映画監督・俳優などを用いたトークイベント「喋楽苦」、木下惠介生誕100年ひとつ木の下プロジェクト事務局や人気舞台 劇団☆新感線を映像化したゲキ×シネを小豆島で上映するなど地方から中央へ発信することを基本に活動する。
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