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Sep 1, 2019

気がつけば魚がいた

イカ
Photo & text by Takuya Hikita

イカ

漁獲1回に対して、食べられるのに捨てられている魚が予想以上にいる。どうすれば、こういう不遇な魚たちを減らすことが出来るのだろうか。毎週のように都内から伊豆半島まで通い、漁師と苦楽を共にし、暑い日も寒い日も漁に同行、彼の地道な研究は進んでいった。

その解決方法は主として2つの考え方に大別出来る。1つ目は「獲れないようにする工夫」、もう一つは「獲れてしまったものを有用活用する工夫」だ。捨てられる魚は小型魚中心で網目を大きくする・時期を調整する等で減らすことが出来る。また、後者については「市場価値の創出」だ。未利用資源をどう商品化し、それをどう販売していくか。後にこの視座が「築地セリ人・疋田」としての市場価値すら高めていく事になる。

ほぼ毎週末(年30回くらい)の漁に同行し、彼は一つの真理に達した。「餅屋は餅屋」、つまり「漁師は漁師として生きる。魚を獲るプロにどこまでも徹する事」。現在の風潮として政府含め、漁業効率化や流通簡略化を謳って久しいが、やはり時間軸の制約も含めて、それには限界がある。早朝から波風に揺られた身体は想像以上に疲れている。陸に上がった後に自分で獲った魚を加工し流通・販売させ、会社会計も行う等、本当に無理な要求だ。また研究によって、彼はもう一つの真理も見つけていた。それは、事件は現場で起こっているではないが、「全ては漁獲時に決まっている」ということだ。言い換えるならば、「魚は現場での取り扱いでその後が全て決まってしまう」ということであり、どれだけ鮮度感含めた品質に注視出来るかだ。彼は、自らの視座を「現場」に置く意味を「強み・差別化」へと将来活用していくことになる。

さて、今月はイカのお話しです。イカを知らない方はほとんど居ないでしょうが、自分が食べているイカがどこから来ているか、種類はどれくらいあるのかを詳しく知っている方は少ないかと思います。イカの食べ方で考えると、刺身・フライ・塩辛・さきイカなどがありますね。刺身は多くが「スルメイカ」という種類で、マイカとも呼ばれるくらい一般的です。北海道・青森など東北を中心に漁獲され、その加工品として塩辛・さきイカにも加工されます。また、刺身では他にも「ヤリイカ」「ケンサキイカ」もあります。ただ値段はゼロが一つ増え、基本的にはお寿司屋さんで握りとなってお目見えします。

 さらに「コウイカ」「アオリイカ」など聞いたことある名前があるのではないでしょうか?これらの種類はとても甘味が強い種類で、比較すると温かい海に生息しています。英語では、上述した細長いイカ=ツツイカ系を「squid」、平たいイカ=コウイカ系を「cuttlefish」と表現します。他にも赤イカ・白イカなどイカの名前は日本語でも産地よって色々呼び方が異なりますので、とても地域性を感じさせますね。あと、イカの寿命が一年ということも付記していきます。これには驚く方も多いのではないでしょうか。

 さて来月は秋に一足踏み込みましょう。「サンマ」のお話しです。お楽しみに^^

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Takuya Hikita
疋田拓也(Hikita takuya)東京都世田谷区出身、父親の実家である静岡県・沼津にて魚釣りをしたことから、すっかり魚の「とりこ」になる。大学時代は海洋学科にて魚類行動学・機能栄養学を専攻。築地魚市場㈱に入社後、セリ人として鮮魚・冷凍魚を取り扱う。その後、北米での原料買付・アジア向けへの輸出業務を経験。その後、2018年「TSUKIJI FISH MARKET Inc.」をバンクーバーに設立。モットーは「ニッチの強者」
Takuya Hikita

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