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Mar 1, 2021

パラダイム・シフト2021

Paradigm shift has gone to …

Text & photo by Machiko Miyano

察するに、時代はますます多様化(Diversification)へと進んでいる。

多様化が極まっていくことは、個別化(individualization)が進むこと。

しかし個別化の進展は、断絶された小部屋が無限にできていくことではなく、むしろ個性として輝くままに分け隔てなく調和していく世界に向かっていくことなのではないかと私は思っている。

少なくとも私は、その方向に向かっている。

自分の生き方を考える

自分の生き方を最も考えさせてくれたのは、父と母である。

子どもの頃から私は親に対する反抗心が強く、心底、自由を希求していた。「束縛」「忍耐」「孤独」の言葉は早い時期に覚え、いつも傍らにあった。自作の人生訓は「やってみなければ分からない。やればできる。そういうふうにできている」。「鳥のように自由に空を飛びたい」と熱望していた私の愛読書は「かもめのジョナサン」だった。

ようやく親と心通う時間をゆったりと過ごせるようになったのは、5年ほど前、私が山梨へ移住する流れができたあたりからだろうか。

移住と早期退職について伝え、「どこでどう死にたい?」「そのためにどう生きる?」と問うた私に、母は「病院でなく家で死にたい。近所の人たちと助け合って楽しく生きたい」と答えた。

そこが私の転換点だった。

一点の曇りもない母の宣言は、「自由になりたい」と願いながらどうにもできなかった私を一瞬で解放した。まるで自分に施していた封印が母の言葉によって解除されたかのようだった。

そのときのこと、そして山梨暮らしが始まり「これが自由だ!」と実感したときのことを、私はずっと忘れないだろう。(その後、憑き物が落ちたように私の親孝行が始まったことも付け加えておこう。)

母は宣言通りに生き、新型コロナが世界を揺るがす少し前、多くの方々からたくさんの愛をおみやげにいただいて光の世界へサ~ッと還っていった。

「自分が言った通りに生きて、逝ったね、お母さん!」

あまりのかっこよさに敬服した。不思議と寂しさや悲しさはなかった。

1年後、母の一周忌から間もない頃、父が母の元に旅立った。

最期の数日間、父の好きだったクラシックや日本歌曲をBGMに、今までで一番長い父娘の時間を過ごせたことは幸せだった。世のため人のためと休日も働いていた父をねぎらい、反抗を詫び、感謝を伝え、思い出話をして、苦しむことなく母の元へ召されますようにと祈った。

父は、残される家族が心の準備を整えられるよう、母の元へゆっくりと一段ずつ階段を上っていった。

だから息を引き取った後、「ようやくお母さんと一緒になれるね。よかったね」と祝福にも似た気持ちがわき、安堵した。

よく、人は亡くなったあとにその人がどういう人だったか分かるというが、その通りだった。

父と母が亡くなった後に寄せられた多くの想いを受け取ったとき、その一つ一つが父と母からの教えに思えると同時に、自分の人生が観えてきた。

私は成長過程で“自由に生きる”意味を父と母に反抗する形で学んだ。山梨という新天地は、自由に生きるためのフィールドとしてステージが移行したという意味。そして次、どうやって生きていくのかという局面で、“見返りを求めず、人を想って一心に行動すること”と父と母が指針を与えてくれた。

今はなんともいえず安らかで、晴れやかな心持ちでいる。

これが本来の私。いつどこに飛んでいっても“今、ここ”に戻ってくればいい。

まもなく迎える父の百か日は、春分の日の翌日。

時節も法事も節目のその日に、父と母はきっと二人揃って降りてきて、仲間が増えてつながりが広がり新たな世界に向かう私の背中を「ほら、がんばれ」と押してくれるだろう。

この場をお借りして

お父さん、お母さん、ありがとう。

Paradigm shift of Paradigm shift

コロナという光環があまねく地球上の全存在を照らし、「これまでの考えを改め、本来の姿で生きゆくのだ」と地球人類を促しているように観える。時に大地が「まだしがみついているのか。動け!」と逡巡する者を強く揺さぶる。

どう生きていくのかヒントを与えてくれるのは、日々自分が出会う人やモノ、コト。とりわけ自然は“自然にありのままに在ること”を教えてくれる。そっと目を閉じ心落ち着けていれば、風が気付きを運んでくることもある。

気付きは個別のもの。私が得た気付きは私なり、だれかの気付きはその人ならでは。

自分の気付きもだれかの気付きも大切に、つながり合おう。

つながり合ったら、その人らしさ(個性の旋律)が重なって調和(harmony)が生まれる。

喜びと感謝で調和は広がる。

今日はどんなharmonyを奏でられるか、わくわくしてすごそう。

そんなふうに、気付きを大切にして個別を極め個性を発揮することと、調和していくことは軌を一にしているように思う。それが新たなる時代の生き方。

だから、これまで当然のことと考えられていた認識や思想、価値観は多様化のもとに瓦解し、今まで通りに“Paradigm shift”を語れなくなるのではないかという気がする。

これからは、多くの人が志向する生き方、精神性としてのParadigm shiftへシフトチェンジしてはどうか。いっそのこと“Paradigm shift went somewhere, and Paradise shift has come.”…なんてね。

分断のトラップは、調和へのステップ。

気を確かにもって、おそれを手放し、前進あるのみ。

時には立ち止まり深呼吸。

さぁ、ご一緒に!

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MiyanoMachiko

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宮野 真知子(みやの まちこ) 1986年から教育公務員として幼稚園、小・中学校や教育委員会、知事部局などに勤務する傍ら、全国各地で講演を行うなど幅広く活動。2017年に山梨県の八ヶ岳南麓、岩盤下がクリスタルの地に移住し「ことば」(ノベル・セラピスト)をはじめ、「おと」(MIチューナーセラピスト)、「え」(パステル和アート準インストラクター)の世界を広げる。 昨年、新型コロナ感染拡大で休校となった子どもたちの支援として友人と「まなび場」をスタート。今年に入り教育系YouTubeにゲスト出演し、春からは子どもの学習支援や母親の子育て支援を予定するなど教育に関する活動も展開中。好きなことは空を見ること、ドライブ、旅行、おしゃべりなど。得意なことは魂仲間を見付けること。最近うれしかったことは、富士山麓に2か月で3回も行けて日本人であるよろこびを実感したこと。みやの まちこ | https://www.facebook.com/machiko.miyano.3/
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