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May 31, 2021

今日に「ヒカリ☆」をみっけ

「思いをもたない素直なさま」

Text & Art by Emily

わたしは子どものころから目の前におきる事象から哲学的にものごとを捉える癖がある。
自分の前を歩く人の歩き方から、
何百人もの人が集う空間でそれぞれが表現する画から、
それぞれのリズムでそよ風に吹かれる草花から、
栓を抜くと円を描きながら排水溝を流れ出る水の姿から、
瞬間瞬間で変化する空を流れる雲から・・。

最近は、ある人の“さま”から。
お互いの状況をシェアし合ったり、夢を語り合ったりする友人4人で集まっていたときのこと。
わたしたちは、自分自身をよりよく前に進むことについて話していた流れで、カードリーディングを手掛かりに今の自分に必要なことを少し聞いてみようということになった。

そのときの4人のうちの一人の、ある“さま”に私の目は釘付けになった。この集まりはその人の自宅に集まることが定例になっている。彼女のカードからのメッセージはさておき、アドバイスとして「胃腸に優しい生活を心がける」、「丸や卵型のアイテムやアクセサリー」、「神社」というキーワードがでてきた。
するとだ。
彼女は「ふむふむ」と言いながら、立ち上がり、おもむろに羽根つきの魔法使いのようなボールペンを手に取り、部屋に飾っているカレンダーに大きく「胃腸」「丸、卵」「神社」と書くのである。
私は思わず彼女のそのあまりに突拍子な様子にとても愛おしくも、尊いものを観させてもらっているように感じ目が離せなくなった。それは、彼女にとってはごくごく自然のことで。彼女は私より年上で、何の疑いもなく自分が出会ったひとつのアドバイスに「わかった!」と即座に反応し、あまりに身軽なのだ。

何かの助言に、疑わず、否定も拒否感もなく、深く考えすぎないで、「オッケー!やってみる!」を“する”。
即、“する”という反応。スピードも魅力に映るひとつだがそれ以上に、“素直”なのだ。

よく、流れに身を任せる、チャンスがきたらその波にのってみる、という言葉を聞くが、彼女のように“普段”からどんな小さなことでも、その「とりあえずやってみる」という素直なスタンスがあることがとても大事なように思った。

この、「やってみる」を選ぶか、選ばないかの分かれ道は、実はのちにとても大きく違う結果に繋がることは事実だろう。
よく、経営者やスポーツ指導者が「伸びる人はどんな人か」という問いに共通した回答をすることがある。それが“素直さ”だ。変化を目の前にすると恐怖心や不安感に苛まれたり、それまでの成功実績や拘りを重んじ拒否感が現れたりする人は多いだろう。自分の可能性が広がったり、自分が関わる広い世界にとってそれが素晴らしい展開に繋がったりするとしても。
やってみて、期待通りの結果にならないということもあるだろう。むしろそういうことは多いかもしれない。
ただそれも、“期待”をしているからだ。

人間は、“思考する”という力がある。
数々の生き方について唱えた小林正観さんが残している言葉に「思いをもたない」という言葉がある。
自分の“思い”をもたないで”素直に、「ただ、する」「ただ、やってみる」・・、この在り方で生きるとどうだろうか。
淡々と、変化に順応できるだけでなく、精神衛生を保ちゆったりとした気持ちで生きられるだろう。
(もっと言えば、「やってみる」がいつもある人は情報や誘いが集まりやすいので、人間関係も豊かになりやすいだろう)

人間がもつ思考する力はとても素晴らしい。
ただ、思いをもたないで、素直に“のってみる”という軽やかさはとても大切なのだ。
山から海に辿り着くことを迎える水が、川の流れに逆らわず流れるように。

“流れのまま、流されるまま”生きる人間以外の自然たちは、
いつも“学び”を与えてくれるだろう。


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emily

emily

ホテルマン・英会話学校マネージャー・大学助手を経て、現在はキャリアカウンセリング・セミナー講師・イベント企画運営に従事(国家資格・キャリア支援12年・カウンセリング年間500人超)。 2017年3月より会社員に加えフリーの活動を開始しライフワークの創造を続けている。不定期に「enjoy」「開放」「自分を知る、自分に還る・繋がる」「踏み出すきっかけ」を目指したワークショップ Let'sエンジョイを開催(ノベルセラピー、表現アートワーク等、自己探索質問ワーク、巨大絵等のセラピーイベント)。 https://weare-circusworld.amebaownd.com/
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