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Sep 4, 2021

写真の薬局

イサム・ノグチの滑り台

Photo & text by Emu Goto

すり減ったピカピカの階段に

子供たちの浮き立った気持ちが

そのまま残っていた

初めて訪れた北の町の公園の芝生の上に

置かれた金属の滑り台

美しいフォルムの向こうから

朝日が射してくる

その光の筋は

無垢な子供の心と理を知った大人の心を分ける

境界線のように

わたしの前に立ち塞がる

踏み出した足が止まり

かがんだ背中が悲鳴をあげる

今日が私を抱きしめ

昨日が私を突き放す

明日はこの光の先に

大きく腕を広げている

さあ

意味のない幻想をここに置いて

この先の一歩を踏み出そう

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Emu Goto
写真家 東京都出身。文化学院の文学科在学中よりPR紙の制作に携わり、卒業後は(株)マガジンハウスの特約記者となる。同社で『an an』,『Hanako』などのライターや編集を手がけると共に、大手企業対象の広告アートディレクターとしても活躍。旅行で立ち寄ったバンクーバーが気に入り‘98年より渡加、当地で写真と出会う。現地の写真学校 Focal Point Vancouver Photographyで写真を学び、数多くの写真展を開催している。中でも、“ミスティ・アイランド”の愛称を持つハイダ族のふるさとクイーンシャー ロット諸島(ハイダグアイ)の幻想的な自然をとらえた写真展「The Voice of Queen Charlotte」は好評を博した。 スピリチュアルな視点で被写体を切るフォト・ライターとしての活動も続けている。
Emu Goto

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